古来から行われてきたもので、人力により屋根雪を除いてやって雪荷重を軽減させる方式です(写真2)。除雪用具の変遷によって、こすきからシャベル、スノーダンプと大型化し、一度に大量の雪を能率良く処理できるようになりました(積雪会雪処理技術調査会委員会、1989)。しかし、それだけに、一歩足を踏み外すと大事故になりかねません。高床式の2階建てともなると、屋根に上がったときの恐怖感は相当なものです。まず雪下ろしをしなくとも済むような配置を考え、やむを得ないときは、あらかじめ命綱を固定するためのフックを配備しておきます。雪下ろしは余裕をもって早めにするのが、昔からの知恵です。
雪下ろし方式とした場合のひと冬の屋根雪荷重の推移を試算した結果です。ただしこれは、1985/86年冬の新庄に当てはめた場合です。屋根雪荷重が200kg/㎡超えた日に雪下ろしを行うものとしたので、この冬は2回の雪下ろしをする必要がありました。なお、計算条件については応用編の付録で詳しく述べてあります。